1 エルヴィン・スミス

無題

いつ空が泣き出しても不思議では無い季節になった。きっとお前は余り好まないだろう。

日々の生活は一変した。選択を迫られる事が多々増え、感情や肉体にも随分と負荷をかけた。…ー何、軽い世間話だ。

幸せとは脆く、与えられる温もりは失った瞬間にその尊さを身を以て知る。俺はお前がいる事で心の安寧を維持出来ていた…そう思うよ。

後悔しない日はなかった。女々しいと言われようが、格好が悪かろうが想うが故。仕方ない事だからね。易々と忘れられる程、生半可な気持ちでお前を愛していた訳じゃ無い。

幾度となくお前との想い出を振り返っては閉じて、綴っての日々だった。…ーそうしている方が楽だったんだ。こんな俺を随分弱い人間だと、笑うかい?

すまない。

お前が吐き出せる場所を俺が作ってやれなかった。
甘えていたのはお前じゃ無いさ、リヴァイ。
よく、頑張った。俺はお前をそう褒めてやりたいと心から思うよ。

丈夫だとお前は良く俺に言っていたが、そうだとは思わない。沢山悩み、苦しみ、葛藤も…俺には計り知れないほどあったのだろうから。

リヴァイ

最後にお前の名を、こんなに幸せな気持ちで呼べた事、感謝しているよ。

幸せと、大切な日々をありがとう。

最愛の君へ。
最後の君へ。

愛しているよ