1 リヴァイ

何でもない日に見せ掛けて

こうして書いたならきっとお前は気付かねえだろうと、そう予想して言葉を残す。…此処に書くと約束して1ヶ月。と、手紙を読み返して気付いた。
今更、とは思わねえだろう、なあエレン。喜べ。

初めはこんなに大きな存在になるなんざ思っちゃいなかったが…。今となっちゃ毎日交わすお前との些細な積み重ねが楽しみで仕方ねえ。

…おはよう。行ってくる。おかえり。おやすみ。どちらともなく見送り、そして出迎える。とっくに上官と部下って関係の領分を侵してるって事にゃ見ないふりを。

言葉の端々から伝わってくる好意につい、甘えちまう。寄りかかって自分でも駄目な男になっていくのが分かるが…仕方ねえだろう。
てめえの甘さが、心地いい。


この執心なのか愛着なのか、独占欲じみた変な気持ちに自分でも笑っちまうほど振り回されてるのがわかる。

いずれ結論は出す。もう少しだけこのままで居たい。
恋人じゃねえお前と。