1 ジャン・キルシュタイン

やった、やった…!

ああやった!すっげえ嬉しい。オレは…もう、いい子にしなくていいんだ。ありがとう、代わりに叫んでくれて。あああオレ…怒っていいんだなあ


…なにが華を見ましょうだよ、まったく。ご都合主義な不誠実にも程があったわ。ほんっとに意味がわからない扱いだった。

願いを話すと論破を試みて抑圧を促すお前だから、殺すしかなかった感情たちを…解放する。…はあ…、…あーーやっとだ。ふは…あはははああ…もうオレは振り回されない

生活や価値観、考慮しまくったよ。どうしたらわかりあえるかって、けどお前は…率先した歩みが全然なかった。
此方の心情構いなし。自分の非を正当化する言い訳開き直りばかり。

愛してねえのに好きと言い続けた、本音の向き合いを放棄したお前がよくいうな。伝えることをやめるのは、捨てたも同然だ。


…いい心地を作り出そうと、自分を殺して捧げた。どうしたらと四苦八苦。
心から愛せるように、って正気かよ。お前が悲劇のヒロインかよ。

…非があるんだろ、オレに。お前も頑張ってくれてたんだろ。促そうと歩み寄っても濁す。核心を突くと上から言い訳論破タイム。詰むわ。

あぁ人に愛を囁いといて。恋人ぶっ刺し放置の裏側で未練に余所見、マジでクズだな。流石に一途は信じてた。きもちわるいよ。
…、ほんっっとうに本当に、めちゃくちゃ頑張ったんだよ。どうでもいい心臓なんだろうけどな。

オレだって呼吸して、生きてたんだんだよ。


…あんまりだ

ああ……お前を破り捨てて、燃やす。もうお前はオレのどこにもいない、幸せ。…加えてよき友、ずっと一人で黙ってて悪い。オレが力不足だからって………自分を責めるのはやめる。報われてえから。せめて。


さよなら、さよなら。世界。

二度と生きることはない。


おやすみなさい
2 エレン・イェーガー
心当たりが有るような、無いようなだ。

なぁ、ジャン。この壁の中には何ヶ月って時間じゃ数え切れないほどの人間がいて、お前はその中の一人だ。この狭い壁の中でひしめいて蠢いている人間の一人、ちっぽけだって思わねえ?
オレは何時も自分はどこか特別で、才能の塊だと思ってた、他の人とはちがう
3 エレン・イェーガー
オレはもっとできる、特別な人間だって。
そう思ってた。でも違うって、オレは特別なんかじゃない、ただの人間だって、気付いた。
だって愛した人さえ守れない、非力で無力だ

オレはこんなに苦しい、オレだけが苦しい。
そうやって、オレは自分を守った
自分が一番可哀想だって思う事で少し楽に慣れた、これ以下は無いんだって思うことで楽に慣れた。
でもそれはまやかしで、ただ自分の殻に篭って外側からの刺激から逃げてたんだ。

.....ごめん、こんな話じゃない、したかったのは。

お願いだから、人生に絶望しないでくれ

本当の痛みを知った価値のあるお前の人生を無駄にしないでくれ


急に悪かった、ごめん.....消去前にお前の目に触れる事が有る事を願ってる。
4 ベルトルト・フーバー
えっと…先ずは、ありがとう。ジャンは寝ちゃったから、代理で僕が失礼するよ。

ごめんね、君は僕のお相手さんじゃない。それより…大丈夫?僕より君の方が胸を詰まらせてるんじゃないかな。

この命が特別だってのはそう思うよ、だって主体だもん。大きな病にかからないとか無意味に自信を持っちゃう。自分の痛みなら細部まで感じられるから、ご贔屓になるのも仕方ない。

傷付け合って初めて、変化する。失いたくないから目を伏せたい痛みを受け止めたり、段々と思いやって優しくなっていくんじゃないかな。みんな最初は、自分を守り逃げることばかりだよ。
よしよし、次は悔いのない選択ができるといいね。頑張ったね、エレン。


あれ、ああしまった独白だからって気を遣わないのは駄目だね。
逆に焦ったよ、えと…なんだか構ってちゃんみたいですごく恥ずかしいな…大変申し訳なかった、大丈夫。ジャンとしてこの世界に辟易しただけで、本当の人生そのものまでってわけじゃない。

寧ろなんていうか…人はこんなもんだと諦められた。だからこそ、想い合えることはすごく尊いんだなって前向きに結論付けた。僕は生きるし、幸せになる。いつか皆が羨むくらいの輝きを掴むさ。安心して。

君もそうだといいね、ありがとう。その…お恥ずかしい醜態を晒して申し訳なかったよ。

改めてありがとう、お元気で。