1 リヴァイ

無題

惚れていた奴が忘れられねぇ…。話してても楽しくない、とか…そういう事じゃない。
「好きになってごめん」 …?うるせぇな…、嫌な謝り方してんじゃねぇよ。

傷付けただけで、何一つしてやれない。どうにも不器用か、口を開いて出るのは毎度の如く悪態ばかりで心中伝えるのも精一杯だ。仕舞いにはどう声掛けてやりゃあいいか解らず意図的に連絡を怠っていた。こんな甲斐性無しはとっとと忘れろ。

後悔先に立たず。けじめという意味じゃないが、もう此処からは退く。好意を貰っても、もし想う事が出来ても、俺は上手く相手を満足させる事ができねぇからだ。
兵士になって今まで巨人しか相手にしていなかったから当たり前だがな。

今後は人類へ尽くす。心臓だけじゃない。心も、捧げる。
力の限り尽くし、然るべき時にこの命を散らせる。
それが俺にとっての幸福だ。


安らぎの場だったお前の隣を、俺へ惜しみ無く与えてくれた。感謝する。
俺がいねぇからと入浴と洗髪を怠るのはやめろよ。
息災でやれ。
2 ハンジ・ゾエ
あの日泣かずに耐えたのに。
本当は離れたくないって言いたかったのを耐えたのに。
私と居る事があなたにとってきっと辛い事なんだと思ってさよならを受け入れたのに。
リヴァイの残してくれた言葉を読んで私の涙腺は崩壊したようだ。

私はちゃんと幸せだった。
あなたは口は悪くてもちゃんと人を思いやれる優しい人なんだって分かってる。
それなのにあなたがそれを口に出せない不器用な所を汲んであげられなかった私が馬鹿だったんだ。

ここを退くと言うあなたがこれを見てくれているか分からないけど……
リヴァイには幸せになって欲しかった。
私がそうさせたかった。
でももう無理だから…。
此処じゃなくてもいいからちゃんと幸せになって。


これ私からの最後のお願いね。
3 リヴァイ
俺はお前を泣かせていたのか。悪かった。
久々に赴いて一番、お前の阿呆面を探しちまう様な俺だ。甲斐性無しのクセにと言って背を向いて構わん。
お前は未だ息災で遣っているのか、なァ…ハンジ

お前が産まれた日を祝うためと云う訳じゃねぇが、今まで良く生きた。今後も身体に気をつけて遣れ。
お前は愛らしい奴だ、其の偶に見せる愛嬌で誰かから愛され…そして俺の知らぬ何処かで幸せに。


…また。
4 ハンジ・ゾエ
久しぶり、だね。元気だった?
私は適当にふらついているけど、元気だよ。風呂も洗髪も面倒臭いけど一応ね。

…またあなたが言葉を残してくれるとは思わなかった。
素直に誕生日を祝いに来た。おめでとう。とか言ってくれてもいいのに…なんてそれじゃあなたらしくないか。
あなたらしい言葉を残してくれてありがとう。


…いつかきっと幸せになってみせるから、リヴァイも何処かで幸せになって。

私の姿を探してくれた事が嬉しかった。
…今でも。