1 エレン・イェーガー(代理)

ないものねだり。

※現パロ


ただいま、って声を掛けたら優しく出迎えて欲しかった。疲れたツラして「会えなくて寂しかった」なんて、毎日言われてたらオレの方が疲れちまうよ。
おやすみの時はキスをしあって、暖かい布団で手を繋いで眠りたかった。互いに明日も有んのに「もう寝るの」なんて、いっつも申し訳ない気持ちだったんだぜ。

依存されちまったのには多分、きっと、オレにも原因があるんだろうな。オレのことが好きだって泣く顔が愛しくて甘やかしすぎちまったんだろ。分かってるっつーの。
お互いに求めるモンが、ちょっとずつ違ったみたいなんだ。オレの求めてたのって、「都合の良い恋人」だったみたい。…じゃあ、求められてたのは?多分、付き合ってすぐの頃の優しいばっかのオレ。

上手く言えねェし、オレだけで結論を出しちまうのは違うと思う。
…大丈夫だろ、多分すぐにまた依存させてくれるヤツくらい見つかるって。次は相手もそういうヤツだといいな。
オレもさ、忙しいときは暖かく受け入れてくれて暇になったら構ってくれる都合のいいヤツを探すから。そうすりゃ、少なくともオレは疲れねーし。

だからさ、もうやめようぜ。待ったり、泣いたり、悲愴感漂わせたり。
結局お互い、ないものねだりだったワケ。