1 ミカサ・アッカーマン

月明かりの下、

最低に馬鹿げた行為をねだる唇が行った、紳士的なキスを時々思い出す。
恐ろしいくらい私のことを理解していた。あなたは間違いなく最上の獣だった。
私は刹那でもあなたにとっての最上でいられた?…少なくとも一時は、あなたは私のものだった。

名残惜しいが、次を探そう。忙しいという別れ文句を素直に飲み込めるほど、私はもう子供ではない。
あなたの中で私の価値がなくなったのなら、これ以上囚われているわけにはいかない。
人生は短いのだから。

あなた以上に勝手で、気儘で、下品で、それでいて美しい獣は、もう見ることはないのかもしれない。
それでもと、この身を捧げ、手を伸ばすくらいは許されるはず。

いつか後悔させてやる。私を手放したことを。
その時まで、さよなら。