1 ハンジ・ゾエ

本当のことを言うとさ、

私は夜遅くまで任務…実験やら研究やらしててさ。なかなか貴方との時間が取れていない事を自覚している。それでも…少しでもいいから貴方とやり取りがしたくて、早く任務を終わらせて鳩を飛ばすけれど貴方から返事がくるのは1日から3日に一度くらい。
毎日毎日同じような手紙を鳩に持たせて飛ばしていれば嫌になった。構ってちゃんって奴?それに思われているのではないかと思ったんだ。
私からの連絡が嬉しい、と貴方は言ったよね。
じゃあ聞くけど…一度でも貴方から鳩を寄越してくれたことがあったかい?
今までの手紙を見たんだ。私から貴方に鳩を飛ばすことがあっても…貴方から一度も鳩を飛ばしたことないよね?
貴方が忙しいことは分かるよ?
でもさ、私だって血の通った人間なんだ。不安にだってなる。

私からの連絡が嬉しいならさ、貴方からも連絡してよ!
毎日じゃなくてもいい。責めて『言葉』にして私を安心させてくれよ!
貴方には『言葉』が足りない。

面倒な奴だって思った?はは、人間はそういうもんだよ。
いくらそっちが嬉しかったり、悲しかったりしても、それを『言葉』として表してくれないと、こっちには伝わらないんだ。

…気付いてた?私は貴方に『辛い』『苦しい』『悲しい』って言葉を吐かないってことに。

貴方にも言い分があるかもしれないけれど、…私の『ココロ』は悲鳴を上げてるよ。

貴方の選んだ選択に従ったけれど。
…夢魔を見るくらいなら、いっそこのまま鳩を飛ばさない方がいいよね。

お願い。早くこの夢魔から救い出して。…って貴方に言えたらどれだけ楽になるかなぁ。
2 ハンジ・ゾエ
本当の姿を見せたら、貴方は驚くかな?
ハハッ…ま、私が『誰か』分からなければそれでいいけどね。
『誰か』分かったら…本音を思い切って言おうかな。