1 ハンジ・ゾエ

七夕と20日

初めて使う場所に、別れたあなたへと言葉を贈ることになるとはね。我ながら、未来とはどうなるのか分からないものだと改めて思ったよ!

あなたと別れてもう少ししたら二ヶ月になるね。元気にしてるかい?日記は相変わらずかな?
私は元気だよ。新たな場所で私と似た相方と共に日々を過ごしてる。あなたと過ごしていた日々を思い出しては、たまに今どうしているかと声を掛けたくなってしまうけど…それはもう出来ないからね。きっと相変わらずあの頃のままで居るんだろうと思ってる。

あなたとの一年間は、色々あった。私がたくさん迷惑を掛けただろうけど、今思い返したら勉強になった部分が多い。私はあれから二ヶ月しか経っていないものの、ちょっとは成長したように思えるんだ。私に似た相方のおかげで、あなたの置かれていた立場や気持ちが分かるようになったというか…気づかされたことが多々あるから。
日々勉強をしつつ、過去を思い出しては自分のいけなかった部分が理解出来てね。時々辛かったりしんどかったりするけど、ちゃんと相手から逃げずに小さな綻びから話し合いを設けたりするようにしてるんだ。あなたが私にしてくれていたように。


今回、何故此処に言葉を残そうとしたのか…その理由っていうか、きっかけは過去の記事に私に似た人が言葉を置いていたから。一瞬、もう一人の自分が居るかと思ったよ。そのぐらい共感したし思っていたことを書いていたからさ。
それを読んで、二ヶ月…私の中であなたへの気持ちが落ち着いた今日此処に来たわけだ。

私はもう此処には居られない。誰も扱えない。あなたとの思い出が強く…多く残されているから。私という存在は…あなたで始まり、そして終わったも同然だ。憤りはない、不満はなきにしもあらず…かもね。それよりも楽しかったり、幸せな気持ちが勝っているから。


ねえ、リヴァイ。あなたは今、あなたらしく過ごせてる?
任務でキツかったり、多忙さに押し潰されていないかな。あなたは口にしないから…そこが心配だよ。
倒れたりしないでね。


…私は、これからもあなたを見守っているから。

じゃあね。
私の最初で最期の愛しい人。どうかあなたに多くの幸があらんことを。

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2 リヴァイ
多少はあの頃より忙しいが問題ねぇ。
今お前が幸せならそれで良い。

そしてお前が最後に願ったことは胸の奥にしまいこんだ。実行もしている。

恨みなどない。
憤りもない。

お前に大事な誰かが出来たなら、良かったと素直に思えるくらいには俺も落ち着いているから安心しろ。

紙に書いた二度目の願いは叶えられなかったが、努力なくば続かないという教訓になっただろう。今いる相方とやらに活かし、俺と居た時よりも幸せになれ。

以上だ。
中々独り身も悪くねぇ。