1 リヴァイ

別れの挨拶

 

返事は要らないと言われてフラれてから10日…、いや、11日か。

せめて挨拶はしたかったが、今まで何度も待たせて、恐らく嫌な気分にさせただろうお前を、これ以上悪い気分にはさせたくなくて、結局返事はしなかった。

…………言い訳だな。
無視されるのが怖くて、返事はできなかった。

お前と話せて幸福だった。
不慣れな俺に長々と付き合わせて悪かった。
謝りたい事、…言い訳したい事は沢山ある。

だが、今は謝罪よりも、礼を。

ありがとう。


温かいお前と、温かい言葉を交わす事のできる相手が見つかっているといい。


…ありがとう。
2 リヴァイ
言葉を残すのは迷ったんだが…どうしてもお前の言葉が此方も心当たりのある奴に似通っていて、気に掛かっちまったんでな。人違いだったなら悪い。
お前の面は別の誰かか?それか、お前の相手は俺だろうか。

何処か心当たりがあるなら、お前の思う俺へ鳩を飛ばしてやって欲しい。
間違いだったなら済まん。即刻この文章も消すんで言ってくれ。
3 削除済
4 リヴァイ
 
お前なら気付いてくれるだろうと言葉を残した。

期待に違わず、お前は気付いてくれたらしい。

だが、…路地裏には、決して戻らないで欲しいというのは、叶えてもらえないんだな。


気付いて欲しいと願いながら、お前の言葉を見る度に、再会を要望しそうになって、ぐずぐずしている間にお前の言葉は消えてしまった。


懐中時計はお前の好きにしていい。
もし、言葉を消したのが、………新しい温もりを手に入れたからなら、金に換えて、そいつと美味いものでも食う足しにしろ。
普段使っていたものだが、それなりの品物だ。


…もし、言葉を消したのが、…俺を違う奴だと思ってなら、…………寒さに凍えないように。
路地に立つのは止めるように。

頼む。


お前が望んでくれるなら、俺も、…他の奴らも、暖炉に薪を焼べて、お前の土産の紅茶と甘い菓子を用意して、いつでもお前の帰りを待ってる。