1 ジャン・キルシュタイン

無題

真っ白な紙と『ごめん』の一言で全てが済むくらいなら初めからお前の手を取らなきゃ良かったと。今でもその手を取った事、愛を注いで生きて来た事、酷く後悔してる。燃えた手記の跡を何度も指先で辿りながら目蓋を閉ざすのは今夜で何度目だろうか。