1 リヴァイ

最後は雪で。

未練たらしく無様な姿を晒し続けるのが嫌になった。
悲しい独り言は嫌いだと以前に聞いたが、忘れられそうにない想いがある内は此処を行き場にしようと思う。きっと見付からないだろうから。


俺にとっては長い間であったお前との付き合いもほぼ一方的に自分で終わらせてしまった、どうしたら正解なのかと問われもしたが自分でも計りかねていた。
出来る事なら二人で一緒に考えて答えを導き出したかったが、多忙なお前にそんな無理は言えなかった。
計りかねて、自分だけで出した勝手な答えも、それまでに繰り返してきた統一性の無い提案も、全てが自分の本音とは真逆で。
可愛げの無い態度を見せてきた、呆れられ飽きられても致し方ないとすら。

嫌われると思った、そうなる前に姿を消すべきだと。それがお前の幸せの為だと本当に心から思った。
それなのに、半端な態度で約束したからとお前へ連絡をしてしまったことを後悔した。
…きっとお前は既に前を向いて歩いているんだろうと、邪魔をしてしまったと。
いつまで俺はお前を好きなままなんだろうな、大切にしてやりたかった筈のお前が遠くなった今でも辛い。
連絡先も今までの手紙も消して、自ら宛先をくらました。
それでも頭の中で鮮明に笑顔を絶やさないお前の顔が消えない。

前を向いて歩く為に、悲しみに浸る身勝手を許して欲しい。
決して、もう二度と迷惑を掛けはしないから。
2 エレン・イェーガー
題が目に留まる度に引っかかる何かが自分の中にあって…どうしてもそれが消えなくて、こうして言葉を残す事を許して下さい。

貴方が約束した相手は俺でしたか?
それと交換するものは、夜景。

もし人違いでしたら、ごめんなさい。再び此処を目にするかは分かりませんが、俺の言葉に見覚えがあったなら…どうか言葉を下さい。
3 リヴァイ
…驚いたな、再度感情を吐き出しに来たタイミングでまさか独白を吐露する為だけに連ねたこんな文字に返信が来るとは…。
俺とお前の思い描く相手が同一かは解らないが。

約束をした相手はお前の姿で間違い無い。
…が、夜景と交換という鍵に関しては記憶が曖昧で、定かじゃない。
因みに俺はそう遠くない前に既に相手へ雪の写真を送り、今の段階でそれを最後の連絡としている。
最後の手紙では相手から新しい人と幸せに、と。

お前が相手へ返信していて、尚且つ同じ内容の手紙を連ねていれば…ほぼ俺であると断定して良いだろう。


当てはまらなかった場合は…お前の求める相手ではなくて残念だが、縁があればきっと巡り会える筈だ。
柄でもないが素知らぬお前が幸せになれる様願おう。
4 リヴァイ
自分の心に嘘は吐けない。
二度と幸せになる事は叶わないと思い知らされた。
今更、どうにもならないと理解しているしどうにかする勇気も無い。
それでも、想う心は自由だ。想うだけならば。