1 エルヴィン・スミス

私の眠り姫に

お前からの言葉がない。それだけで、こんなにも落ち込む自分がいることに、毎度驚いてしまう。
きっと休みだから、羽を伸ばしているのだろう。ハンジと飲みに行っているのかもしれない。ミケと旅行に行っているのかもしれない。
お前の私生活を、縛る気はない。それは私に許されぬことであるし、それをしたいとも思わない。
お前には、いつだって自由でいて欲しい。私などに縛られず、大空を羽ばたく翼であって欲しい。

私は、地に縛られた人間だ。お前を追うことはできない。その背中を見送ることしかできない。

仕事ばかりの私だ。お前は他に良き相手を見つけたのかもしれないとも思う。それを咎めるつもりはない。それだけ、私に魅力がないということだろう。
この世界は己の楽しみを具現化する場。相手をしてくれぬ者を捨てるのは至極当然のことだ。

私の青い鳥、私の最愛。眠りに落ちる瞬間、太陽の下を舞うお前の翼を瞼の裏に思い描こう。