1 エレン・イェーガー

……

もう、オレの事は忘れた…よな。そりゃそうか。今頃幸せになってる筈だ。あれから、どれだけ経ってると思ってんだよ。オレも早く忘れねェと。
──だけどもう少し。あと少しだけ。

優しい手が好きだった。オレを呼ぶ声が好きだった。

似た顔はあるけど、同じじゃねェから。オレにとってのあなたは…あなた一人だけなんだ。
ありがとう、ございました。大好きでした。本当に。言えなかった「愛してます」は、ここに置いていきます。そわそわするばかりで言えずじまいだったのは未だに心残りで。だから、呟く事だけは許して下さい。

叶うならもう一度だけ、あの手に触れてェなあ…。