1 エルヴィン・スミス

忘れるまで時間がかかりそうだ

そう言った君の顔を俺は直視出来なかった。
何を綴ってもそれは独り善がりで、本当に言い訳でしかないんだよ。君の前ではいつだって格好つけていたいと、あの時も思ってしまったのが運の尽きだ。情けなくてもいいから泣いて縋れば優しい君は俺に救いを与えただろうに。

残された言葉、あれはもしかすると君なのかもしれない。そうじゃないかもしれない。どちらなのか真実を知る術を俺は放棄した。でも多分、俺の勘は当たる。

なあリヴァイ。
俺も君を忘れるまでとても、とても時間がかかりそうだ。
感傷に浸る暇が無い。
これが原因だというのに今はいっそ、有難いよ。

暑い日差しで体調を崩していないか?
君は何でも背負って頑張ってしまうから心配だ。…いや、俺がいまさら心配なんてどの口が言うんだか、というものだ。やめておこう。
2 削除済