1 エレン・イェーガー

ちっせぇ不安。

此処の用紙を使うにはあまりに、あまりに小せぇ不安かも知れない。
オレは大きな幸せの中に居るから。
その大きな幸せに小さな亀裂を入れてしまわない為に、この青い紙をオレにも一枚ください。


一昨日見た奇妙な夢は、同期の奴曰く「大切なものを失う前触れ」らしい。

…なんだよ、それ。
貴方を失うようなことにはならねぇ。
ならねぇ、はず、…だ。…馬鹿げている。

馬鹿げてる筈なのに、時間が経つにつれだんだんと不安が募る。
オレは貴方を失うんでしょうか。…また。
オレはもう、あんな思いは二度としたくたりません。
頭の片隅を過ぎるだけで、ただただ哀しい。

……手を、離さないでください。
お願いです…
2 エルヴィン・スミス
失礼。

人違いだったら申し訳ない。
速やかにこの頁は破り取るので指摘して貰えると助かるよ。


君に、此処へ足を運ばせてしまったこと。
まずは謝罪を。すまない。
…正直に言えば驚いた。
この事実を真摯に受け止め今後の接し方を今一度見直そうと思う。

夢一つに惑わされてしまう程、私の今までの言動や気持ちは信頼に足りなかったのだろう。

これも一つの転機と捉え、君の手をしっかりと握り直そう。もういっそ、手錠か何かで繋いでしまおうか。
3 エレン・イェーガー
…こんなの見つかって顔から火が出そうなくらい恥ずかしいです。
消しちまいてぇけど…貴方が応えてくれたから、大切にしまっておきたい。…です。

ごめんなさい。
書き綴ってるうちにだんだん不安になっちまって、貴方の目に触れるかもしれねぇって事に考えが及びませんでした。
オレは貴方を傷付けてしまったでしょうか。…すみません。

オレだって最初は何とも思わなかったんです、貴方がどっか行っちまうなんて有り得ねぇって。
けど、頭の片隅で気になってて、…時間が経つにつれだんだん不安になっちまって。
信頼してるつもりだったのに、失うんじゃねぇかって考え出したら飲まれちまいました。信頼も、配慮も、オレには足りなかったみたいです。

貴方はいつもオレの傍ですっげぇ良くしてくれているのに、謝らせちまってすみません。
もう迷わねぇように、手錠はオレに繋がせてください。貴方の犬らしく鍵なんて地中深くに埋めちまいますから。

こんな駄目なオレですけど、これからも傍に居てください。
大好きです。