1 リヴァイ

お前への気持ちを捨てて最後の最後に残ったのはたったこれっぽっちの感情とはな…我ながら笑えてくる。
あれだけあった気持ちを詰め込んだ箱を2度と流れ着かないように錘をつけて海の底へ沈めた。最後に残ったこの気持ちも特別頑丈な箱に入れて沈める、もし浮いてきちまったら反吐が出るし笑えもしねぇ。
時間はかかったが随分軽くなった…これでいつでも飛び立てる。今は誰よりも大切な奴と共に海の彼方へ飛ぶ準備をしてる最中だ、使えもしねぇガラクタを持って飛んだら何が起きるかわからない。
だからこれは墓標代わりだ。残骸に何の意味も持たない、ただお前が居た証が欲しかった…それだけの事だ。
2 リヴァイ
近頃になってふと、あの時のお前の態度がどんな気持ちで言っていたのか自分なりの解釈が出来るようになった。
俺がクズだと知りながら何故側に居続けようとした。お前は辛かったはずだ、なのに何故。俺を本気でどうにかしたかったのか、それとも別な思惑があったのかはわからない。過去のお前にもっと違う気持ちを植え付けていたら攫っていってくれただろうか…なんてアホの極みのような事まで考えちまうから本当に始末に負えねぇ。冷静な思考で過去を振り返れば振り返るほどお前は最低なクズ野郎だったし俺も同等にクズ野郎だった、どの道一緒には居られなかったんだと嫌と言うほどわかりきっている。…………だが、そうは言ってもクズなりに整理をきちんとつける為に時間がかかった、未だに未練を捨てるのに苦労している。だからもう少しだけ振り返る時間はある、この意識ごとなくなるまで馬鹿げた考えも含め爪痕をなぞるくらいは許してくれ…。