1 リヴァイ

会いたいと思ったら負けだろ

些細な言葉で思いの外浮かれちまってた自分が情けねぇ。呟くことで認めることになるのはわかっちゃいるが、心臓が奪われたっつうのはああいうことを言うんだろ。

考えたらすぐわかることだった。あんなの、リップサービス以外の何物でもねぇだろ。もしくはその場の雰囲気、ノリか?どっちでもいい。お前がいないのが、全てを物語ってる。それが答えだ。揺るぎない、ただ一つの。

地下街出身の俺でもぼろ雑巾くらいのプライドはある。お前には言わねぇ。そもそもきっともう会うこともねぇんだろう。期待すんのはもうやめた。

だから俺のいないところで、勝手に幸せになればいい。どうせそれも、俺が知ることはないんだろうからな。

じゃあな、俺の、恋かもわからなかった、生まれることすら叶わなかった、名前のない心よ。出来れば、お前に触れて名前をつけてやりたかったよ。