1 エルヴィン・スミス

9月13日、17:42 の君へ

これは、君が初めて私に手紙を寄越してくれた時のタイムスタンプだ。


私と君は、この場所に皆が書き込んだ、そしてこれからも書き込まれるであろうものと同じ書物を互いに抱え、
暗い部屋で、足元に熾きを入れたカンテラ一つを置いて、二ヶ月、読み耽った。
顔も合わせず、ただ君の言葉を聴き、私の言葉を語った。意見を交わしあい、時に衝突もした。

君の募集に対して綴った23通の書面、そして私が君への思慕を綴った8通の書面。そして多分400通近くの手紙と。

それに対して君が真摯な気持ちで綴ってくれた、346通の手紙。

なぁ、君。二ヶ月だ。二ヶ月、有り難う。君の応募から始まった不思議な縁。君と逢えて良かった。
私は、過去の自分と向き合う事が出来た。長いようで、短かったな。


このタイムスタンプ以前の君と私は、また此処に置いていこう。二人でまだ、読まなくてはならない事もある。


9/13の17:42以前の、俺のリヴァイ。君にはもう直ぐに、煩くて図々しくて、どうしようもない男が現れる。

哀しいや悔しい、辛い。そういう書物も。それから愛についての書物を二人で読んでいこう。