1 リヴァイ
初めは。
楽しむのではなく恋しく思うのでもなく、もっと違う音がした。
此方の様子を伺って遠く響く音だ。
怯えさせてぇ訳じゃねぇと、だが立ち振る舞いを変えるのは安易ではないと、手を離した。容易く離れて行った。
その次は俺でない誰かに心が行っている音を聞いた。それは明確に響いていた。
俺は、…今となれば薄っぺらな信頼だがそれに託けて聞かねぇふりをした。
擦れ違ったのが最後、また手は離れた。互いに何らかの傷を残してな。
人間の信頼に比重を置く俺はさぞかしクソみてぇだろう。
だがそれがなければ言葉の全てがもっとクソになる、それがどれだけ経っても変えられねぇ持論だ。
俺の知るやり方で情を癒しを幸せを、ただ与えてやりたいだけなんだが。その基準となる俺の方法が間違っているのか、未だに答えが見つからねぇ。
もっと柔らかく楽しめりゃいいんだが情けねぇ事に非常に不器用な融通の利かん人間だと思う。
あいつは後悔を、してないだろうか。
次は何の音がしてどう手を離すんだ、と不意に不安が過る。
…そうなる前に俺にも通訳が現れちゃくれねぇか、とも。
此方の様子を伺って遠く響く音だ。
怯えさせてぇ訳じゃねぇと、だが立ち振る舞いを変えるのは安易ではないと、手を離した。容易く離れて行った。
その次は俺でない誰かに心が行っている音を聞いた。それは明確に響いていた。
俺は、…今となれば薄っぺらな信頼だがそれに託けて聞かねぇふりをした。
擦れ違ったのが最後、また手は離れた。互いに何らかの傷を残してな。
人間の信頼に比重を置く俺はさぞかしクソみてぇだろう。
だがそれがなければ言葉の全てがもっとクソになる、それがどれだけ経っても変えられねぇ持論だ。
俺の知るやり方で情を癒しを幸せを、ただ与えてやりたいだけなんだが。その基準となる俺の方法が間違っているのか、未だに答えが見つからねぇ。
もっと柔らかく楽しめりゃいいんだが情けねぇ事に非常に不器用な融通の利かん人間だと思う。
あいつは後悔を、してないだろうか。
次は何の音がしてどう手を離すんだ、と不意に不安が過る。
…そうなる前に俺にも通訳が現れちゃくれねぇか、とも。
2 ハンジ・ゾエ
いきなり、ごめん。どうしても、どうしても他人事に思えなかったから!
リヴァイ、信頼に重きを置くのって素敵なことだよ。
信頼が無い友情や愛情なんて、薄っぺらいだけ。…信頼が無ければ…家族の絆すらも、脆くなるんだから。
貴方は不器用だ。きっといつも言葉が足りない。そこを信頼が補ってくれると、不器用に不格好に信じている。
そんな貴方の理解者だって、絶対に現れるよ!貴方が悔しくなっちまうくらいに凛とした佇まいの人、案外いるものさ。
その素敵な持論、曲げるんじゃないぞ。揺るぎない誇りを持つ貴方は素敵だ。頑固と履き違えていないところもね!
そのままキリッと立ち続けてよ。どんな嵐からも鳥や動物を守る、大樹のように。
そして、次に貴方の心に届く音が、優しい春を告げるような…鳥のさえずりのような音でありますように。
リヴァイ、信頼に重きを置くのって素敵なことだよ。
信頼が無い友情や愛情なんて、薄っぺらいだけ。…信頼が無ければ…家族の絆すらも、脆くなるんだから。
貴方は不器用だ。きっといつも言葉が足りない。そこを信頼が補ってくれると、不器用に不格好に信じている。
そんな貴方の理解者だって、絶対に現れるよ!貴方が悔しくなっちまうくらいに凛とした佇まいの人、案外いるものさ。
その素敵な持論、曲げるんじゃないぞ。揺るぎない誇りを持つ貴方は素敵だ。頑固と履き違えていないところもね!
そのままキリッと立ち続けてよ。どんな嵐からも鳥や動物を守る、大樹のように。
そして、次に貴方の心に届く音が、優しい春を告げるような…鳥のさえずりのような音でありますように。
3 リヴァイ
吐き捨てた呟きにまさか返答があるとはな。
未だ顔も知れぬ人間が、響く音がいいものにと願っていてくれた事を嬉しく思う。礼を言おう。
…だが、どうやら届く音は春の音じゃねぇらしい。
持論を曲げられる気はさらさらしねぇが、悲しい話だな。
何度も重ねるが、礼を。
それと、顔の知れぬ他人の幸を願えるお前にもいい音が響く事を、ただ此処に祈る。
未だ顔も知れぬ人間が、響く音がいいものにと願っていてくれた事を嬉しく思う。礼を言おう。
…だが、どうやら届く音は春の音じゃねぇらしい。
持論を曲げられる気はさらさらしねぇが、悲しい話だな。
何度も重ねるが、礼を。
それと、顔の知れぬ他人の幸を願えるお前にもいい音が響く事を、ただ此処に祈る。
4 削除済