1 エレン・イェーガー

あー…

鳩の宛先を変える勇気がねぇ。

貴方からの鳩を何時でも迎えられる為、とは言いつつどうせもう来ない事なんて分かってますけどね。
でも何時かまた手紙を寄越してくれるんじゃねぇかっていう一抹の希望があるからこそこうして変えようか変えまいか悩んでるんだ。女々しいな俺。

せめて白い鳩を飛ばして欲しかった。
寧ろ俺から飛ばせば良かったのか?…いや、でも、俺は間違っても貴方と縁を切りたい等とは思ってないからそれは無理だ。


……また会いたい、
2 ミカサ・アッカーマン
エレン、貴方の言っていることは、昔私も経験したから…他人事のように思えなかったから、書き込む。書き込むことを、どうか許して欲しい。

…貴方の、会いたいと思ってる気持ちは決して貴方だけじゃないということを知ってほしい。
何が起こっただとか、それはその人たちによって色々違う…だが例え理由は何にせよ、寄り添った時間があったのは事実。消えない。
消えない事実をお互いが背負いあってるこそ、自分の思っていることが相手にもあることをどうか知ってほしい。

勇気を出して、鳩を飛ばして見て。会いたいと一言、小さなその翼に乗せて。その勇気は無駄にならない、絶対。必ずその先の事がわかる。
…エレンの、家族の苦しい姿は見たくない、から。

どうか私のように途方にくれないで。
3 エレン・イェーガー
まさか返事が返って来てるとは思わなかった。…お前も俺と同じように辛い時期が合ったんだな。
確かに俺は相手に“会いたい”っていう簡単な言葉すら送ってなかった。こんな所で女々しく呟いてる暇があるならそれくらいやれって話だよな、そりゃそうだ。

お前のお陰で少し勇気が出た。もう一度、僅かな望みを掛けて鳩を飛ばしてみる。ありがとう、ミカサ。お前が幸せになれる事を祈ってるぜ。