1 アルミン・アルレルト

無題

何があった訳でもなく、思うことがある。果たして僕に、君を繋ぎ止める権利なんてものが存在するのかを。

後ろめたい気持ちはない、君が僕の手を取ってくれたことが凄く嬉しい。…嬉しいのに、君を楽しませてあげられるのか、幸せに出来るのか…不安が勝る。そんな素振りを見せるつもりはない、いつだって君の前では笑っていたいから。特定の相手を作らなかった理由はそれだ、自分が大切にしたいと思える人を大切に出来る自信がない。本当に、一欠片もね。

きっと、君にこんな話をする機会はないと思うんだ。だから最初で最後、ここで弱音を吐かせて欲しい。

…もし、もしもだ。万が一、君の手を手離すことがあれば…その時は、笑って背中を向けられたらと思うよ。

気付かないだろうなあ、君は。こんなにも情けないことを僕が考えているなんて。…そもそも君の前では僕じゃないんだっけ、うん。よし、一先ず不安は此処に置いていくよ。
2 アルミン・アルレルト
少し、嫌な事を思い出してしまった。凄く嬉しくて、とても悲しかったこと。

嬉しいことは一瞬で過ぎ去ってしまうのに、どうして辛いことって胸に残るものばかりなんだろう。確実に嬉しい事が多い筈なのに、塗り潰されてしまって思い出すのはほんの僅かな…1%にも満たない嫌なことばかりなんだ。

勿論、君の事じゃないよ。昔の話さ。
3 ミカサ・アッカーマン
突然ごめんなさい、アルミン。
どうしても気になって…迷惑なら消すから言って欲しい。

そんな事を思って貰える時点で、貴方の相手は幸せだと思う。その想いはきっと伝わってる。
だから、自信を持って欲しい。
4 アルミン・アルレルト
やあ、ミカサ。こんな呟きに誰かが反応してくれてると思ったら君だったんだね。

迷惑なんかじゃないよ、そんな事言う訳ないじゃないか。凄く感謝してるし、とても嬉しいよ。そう言ってくれる人が一人居るだけでも、随分心強いよ。

心配してくれて、ありがとう。