1 クリスタ・レンズ

 

貴女も結局彼と同じ。
周りに良い人振ろうと必死になって自分の心の余裕の無さに気が付いた時にはどうしようもないくらい渇望していた。訴えてみても甘やかしてくれる人はごく僅かで。
ごく僅かの内の一人が私だった。私でなくてもよかったんだよ。…そしてそれは私も同じ。好きになってもらいたいから甘やかしたり大人振ってみたり。

あの事も嫉妬させたい訳じゃなかった。努力を少しは認めて欲しかった。今度は長く側にいられるように好きじゃない唄も沢山歌った。

それでもうまくいかなかった。
彼のせいだけじゃない。

きっと。私だから、だめだったんだよ。貴女が悪いんじゃなくて、私が悪い。
甘やかすことに限界を感じてるのに甘やかされるのが好きじゃない。甘やかしてやってると思われたくない。頭に来る。
だから貴女のあの頑張るからって文も、実は。

多分、価値観とかもそうだけど根本的に合わない。

貴女も…好きな本を読んで、友達も読み始めたらそれに無自覚でも負を感じるんじゃないかな。
認めたくないだろうけど、普通なら、そうだよ。
でも私は貴女曰く変わってるから。
それが友達であれば凄く嬉しい。その逆も。だから普通を察するととても負を感じる。理解出来ない。

…ごめんなさい。


でも貴女はもうとっくに忘れている頃かな。


あのね。遊びに来てくれて嬉しかったよ。
それだけは本当。
本当に自然と頬が緩むくらい大好きだった。


直接見送りに行けなかったからここで。

さようなら。
…どうか、次こそは幸せになってね。