1 エレン・イェーガー

無題

数えるのをやめようと思ったのに、結局。
もう、一年になりますね。


俺があなたを忘れようとしないで読み返してしまうのか、忘れられないからそうしてしまうのか、もうよくわからない。
ただ、痛いほど、もう一度芽吹かせられはしないものだと知っているのに、何度も何度も苦しくなって、
……結局、会いたいって思ってる。

似たもので満たしてみようと何度もしました。全然、うまくいきません。腐り落ちてしまったものなら代わりがあってもいいのにと思うのに。どうしてでしょうか。

あなたはいま、どこかで幸せでいますか。
俺はまた、泣いてしまいました。
2 リヴァイ
随分前に書き置かれたこの封を切る事、不粋な真似を詫びる。
一人、風貌の似た初年兵を知っているんだ。埃を被りながらもまだ、哀しい文字が読める、息災ならば良しとも思うが…。年長者の要らねぇお節介だ、聞き流せよ。


行け。前へ、代用を求める内の虚しさに耽るな。
過去の眩さ等、ガラクタ程の価値も無い。お前を捨て置いた男に何の遠慮が必要だろう、幸せになれ。

代理かは伏せる。
3 エレン・イェーガー
…吃驚しました。

知っています。過去を愛おしんでもなにも生まれないことも。俺が満たされも幸せになれないことも。ちゃんと。
あの人の影を追い縋っても、そこに姿があっても、俺が欲しがってる優しいものなんか無いことも。 解ってる。

青い鳥は居ないんだと知りながら探すことにも、…疲れました。俺が擦り切れて壊れてるからだとも思っています。

傍に俺が居てもあの人が幸せじゃないから、拒まれたんだと。知っていても。
やっぱり、会いたくなった。何度も。 …数えていました。愚かでしょう。

…あなたの文字は、綺麗ですね。

沈めた俺が驚くくらい深くの言葉を見つけてくれて。 嬉しかったです。また、頬が濡れるくらいに。

ありがとう。