1 エレン・イェーガー

薄暗い部屋。

今日さ、備品整理も兼ねてとある物置小屋に来た。雑然として、すっげえ埃臭くてそこはかとなく寒ィし昼間でも灯りを要するその空間が何と無く懐かしかった。

…自分で切り出したのにまた思い返して手が伸びそうになる。手元に残った、たった一枚の手紙の所為で。
お前が元気で、幸せにやってるならいい。だけど、…一つ泣き言を零すならオレの所に帰るって言葉を信じたかった。また距離が空くなら言って欲しかった。漸くお前と向き合おうとしたってのに。

…なんてな。今となっては後の祭り、馬鹿言ってねえでさっさと片付けるか。