1 リヴァイ

最近はサイクルが早い。
苦痛を長引かせるのが嫌で見切りをつけるのがどんどん早くなる。それこそ煩悶は数十時間で終わりだ。
人工甘味料のように手軽で後味の悪い付き合いばかり。
俺は甘ったれで、ケツの青いガキみてぇに口を開けて飴を欲しがる。欲しがる。欲しがる。欲しがる。
ものには対価が必要だ。金銭時間労働不快危険技術。俺はポケットに両手を突っ込んで突っ立ったまま、とびきり甘い飴の先払いを求めているんだろう。だから手垢のついた、路傍に落ちた飴を放られる。例え包装紙で包まれていても、完全に密封されてなけりゃ信用出来ない。
なぁ。包み紙を一度開けた跡が見えてんだよ。お前。それとお前、さっき同じものを他の奴に配ってただろ。大っぴらに過ぎるだろうが。
俺にはお似合いだろって?ああ、そうだな。
俺の思い込みだろうって?ああ、そうだな。
お前は何も悪くないさ。価値観の違いってだけの話だろう。


別のお前から別の俺への愛の言葉を垣間見る度、羨望を通り越して心臓が捻じ切れそうになってきた。
ないものねだり過ぎて腹も捩れる。性根もとことん捩じくれていて、全身螺旋人間の出来上がりだ。あとは巨人に物理的に捻られるくらいしか残っちゃいねぇな。
現状はなるべくしてなったものだと理解している癖に気付いたら目玉の表面が必要以上に濡れている。


さびしい。
エレン。愛されたかったし愛したかった。
抱き合って、翌朝にお前が傍にいることを疑いもせず眠りたかった。
2 リヴァイ
寂しい。寂しい。寂しい。寂しい。寂しい。

千切れて、一度繋がって、また駄目になる。
2度目だ。
ひたすらに寂しい。
もう何日も経つのに、衝動的な孤独感が厭わしい。