1 リヴァイ

密室の告白。

エルヴィン、俺はお前に嘘をついた。
やっぱり、条件に組み込まれていたとはいえ無言で離れた手はひどく、冷たい。


傷は浅かった、のかもしれない。
貼り紙はしてみたものの、血眼になって探すこともしなかった。

届いた鳩も逃がしちまった。

落とした写真は今も所在なく手帳に挟まってる。
これも燃やすべきなんだろう。


それでも、なぁ、エルヴィン。
短い間ではあったが俺はあの薄闇でお前に口付けられたあの時の高鳴りを忘れられねぇみてぇだ。


…狭量な俺が、お前の息災を願えるようになった区切りをつけに、ここへ記す。

感謝してる、……お前の右腕の俺より。