引退宣言

身も世もないほどの恋に落ち、一世一代の告白を経てから二度とない夢の様な幸福を享受した。
だがそれも終いだ。
長かったこの世界からも完全に足を洗い身を引こうと思う。最後に酒でも飲みながら思い出話でもと思い立ち寄った。暇なら俺の部屋へ来い、年代物の林檎酒とチーズで飲み潰れるまで付き合わないか。

独りでいるには勿体無い、いい夜だ。