言葉遊び(R20現パロ)

世間の多くの連中の様な纏まった休みが取れた訳ではねぇが、漸く一週間を終えた週末の夜。独り自分の部屋でテメェの気配だけを仲間にするのも虚しく、かと言って同僚と騒ぎ明かす気分には遠くてな。偶々通りがかった裏路地の一角、ひっそり構えられたバーの扉を開けてみた訳だ。

閲覧感謝。今夜は仕事終わりに立ち寄ったバーのカウンターで、落ち着いて話しが出来る奴を探しに来た。俺と同じ様にふらっと吸い寄せられた者か常連か、はたまた赤の他人か知り合いかはお前の自由、閉鎖的で何処か浮世離れした非現実的な空間で他愛無い会話や駆け引きめいた言葉遊びに興じる事が出来れば幸い。本気とも冗談とも付かねぇ様な掛け合いなんかも偶には良いだろう?比喩や詩的表現なんてらしくもねぇ言い回しするかもしれねぇが、特殊な空間での出来事。今夜席を立つ迄の夢だと思って大目に見ろ。良いな。

提供は俺及びナナバ。隣の席に座る奴は男であり、背後成人の女で仮宿持ち。プチより短くても描写を付けて雰囲気も愉しめれば言う事はねぇ。此方は仕事終わり故にスーツ姿、お前の格好は畏まって居ようがラフだろうが好きにしろ。お前が窮屈じゃねぇなら其れで良い。

…花言葉の様にカクテル言葉、と言う物があるらしい。モヒートに一晩の期待を託し、願いが叶うのを待っている。
忘れていた。酒を飲んでも呑まれるな、一夜のアバンチュールとか言う衝動に雪崩れ込む気は一切ねぇ。口説き口説かれの雰囲気を楽しむのは歓迎するが本気の下心は奥底にしまっておけ。そして継続は基本無しだ。

剥がす迄は独り、グラスを傾けている。