未来からの手紙。

……これは?(私室に戻り書類に向き合おうとすれば真っ白な紙の上に浮かぶ、小型の不可思議な黒い箱を見留め眉間に皺を刻み。先ず手に取ると恐る恐る触れて硬質なその感触を確めるようにあちこちから触り。掌の中で不意に響く振動に瞳の幅を広げ。点灯する画面に表示された文面を見詰め)


閲覧に感謝を。
この通り、何故か過去(調査兵団時代)の俺の机に届いていたのはケイタイと呼ばれる通信機器だ。未来(現代)から手紙を届けてくれる者を探している。
俺は素っ頓狂な反応を返すと思う。絵文字を使ったりすれば、こりゃあ何だと聞いてみたり、操作が分からずに「あ」の文面だけを打ち込み手紙を飛ばしたりな。
単なる思い付きだ、裏も発展もねぇと思うが俺は床では所謂ネコ側だ。期間は一応一夜を想定しているが、継続も可能。
お前が話す内容、職業や大学生かどうか等細かな設定は任せよう。そっちの平和な世界の話を教えてくれ。
提供は俺のみ。募集は男Cのみになる、ドッペルでも構わねぇ。
俺に手紙を飛ばしてくれる者は思い付いた…めぇる?の内容を添えて手紙を飛ばしてくれ。
巨人のいない世界とは、どんなものだ。俺に聞かせろ。