目で見るな、心で感じろ。

与えられた期間は一ヶ月、託された紙を如何に強固なる凶器に変えるのか。鎌か、それとも鋏の様に紙切れを二枚用意してからの両刀使いか。…安心しろ、紙は所詮紙にしかならねえに決まってんだろ。おい、要点は別にある。出だしに囚われず中身を見て読み感じて学べ。簡単な話だ、目で認識したものじゃなく心で感じろ。


ある日、一枚の紙切れが手元に届いた。中身はそう、クソみたいな汚え文字。此奴を始末しろ、と書かれた紙と共に顔写真まで入ってやがった。報酬も何も書かれてねえそれを誰が引き受けるんだと、普通ならばそうだろう。だが、その時の俺は一味違ってな…興味が湧いた。テメェの間抜け面に。
この募集は現パロとして捉えてくれ、そうすれば頭に入り易い。要するに理解力は妄想力で補え。そうして不動産屋の手続き違いという名目を使い、写真の奴とルームシェアをすることになった。部屋の空きが出るのは一ヶ月後、その間に始末すればいい話だ。簡単だろう?だが、これは此方視点のみの話。

一方、ターゲットであるお前にも同様の手紙が届いていた。そう、始末する相手は俺だ。まるで見合いみてえだな、とか和気藹々になる筈もなく…偶然を装い双方が双方共に相手を始末する目的で出会う。さて、言いたいことは理解できたか?
方法は問わず、相手を始末しろ。だが言葉に囚われ過ぎるなよ、誰も殺せ、とは記してねえ。かと言って、殺すな、ともだ。ネタに走るも良し、包丁片手に料理するシリアスさを出すもよしなに。其処はテメェと俺とで描く共同生活だ。生まれるスリルは合っても、友情だ、恋だと芽生えるものは無い。あるとすれば理解者と、歪んだ縁位か。テメェが俺を始末しに来る理由は好きにしろ、どんな理由であろうと俺は俺の好きに動く。

―入居の為の準備―
住所は問わず、此方はxxかe箱を使用
ふざけた応酬が平気
萎、不可などがあれば記載(連メ不可、など)
打ち切り時は白紙、又は始末を終えた時
やり取りは一ヶ月間(それ以降のやり取りは互いの意欲に比例し、其処で終わるのも可)
文字が好きであること(此方の文字数がうっかりすっかり長くなる為)

―提供―
リヴァイ、アルミン・アルレルト、エレン・イェーガー、エルヴィン・スミス、ハンジ・ゾエ、コニー・スプリンガー、ミカサ・アッカーマン

―募集―
提供を含む、アニ・レオンハート、ジャン・キルシュタイン、ミケ・ザカリアス、ファーラン・チャーチ、イザベル・マグノリア、以上。

過去も未来も関係なく、お前と俺は互いにターゲット。それ以上もそれ以下もないと認識しておけ。
顔合わせ序でに手土産を持って顔を出しに来い、此処はあくまでも俺の家だ。くれぐれも忘れるんじゃねえぞ、文句は聞いてやらんでもない。まあ、右から左に流すが。さっさと面を貸せ、一ヶ月の余興の為に。熨斗紙の表は白紙、裏側にでも希望と提供と萎や不可を記して手土産としろ。詳しくは追って連絡する。

何も無かったものから生まれる、下らねえと笑っちまうような縁との巡り合わせを待つ。
変わった奴等も居たもんだな、…あ?これは悪口じゃねえ、褒め言葉だ。熨斗紙を寄越した奴には此処で礼を告げておく、相手を願う者には改めて声と鍵を託そう。

部屋は埋まった、先を見るは生かそれとも――…。
これを以て締め切りとする、場所と巡り合いへは感謝を。