おやすみを

聞かせて欲しいと言っておいて、真面な挨拶もせず寝ちまって悪かった。お前を待たせただろうかと思うと申し訳ねえし、だからこそそれっきりにする事だって出来た筈なのに…わざわざ言い残してくれるなんてな、有り難うな。感謝している。

俺にとっても良い夜を過ごせた。それこそ久方振りに。安酒が美味く思えたのもお前のお陰だろう。未だ未だ安寧と縁話には縁遠そうだ、晩酌なら何時でも付き合ってやるから声掛けろ…なんて、寝落ちた俺が言えた義理もねえか。

これを見ているか否か分からねえが、おはよう、或いはこんにちは、こんばんは、を添えて。

昨夜は有難う、リヴァイ。今朝の体調はどうだったかな？悪い酒酔いをしていなければ良いが…

お前が良い眠りに就けたようだったから、私もあの後すぐに自室に戻った。だから、気にする事はないよ。

それより心残りだったのは伝えきれなかったおやすみの言葉。だが、それも目に止まったようで安心した。これで心置きなく執務に戻れる。

これから夜も益々長くなる。また眠れなくなって、酒の肴に下らない話がしたくなったら私を呼ぶといい。色沙汰に縁の無いお前の事だ、話し相手には困るだろう。かく言う私も同じ穴の狢なのでね。

それでは、失礼する。

…お前も大概律儀な奴だ、社交上手は流石と言うべきか。案ずる事はねえ、起きてクソして飯食って任務に就いて、極普通の一日を無事に過ごした。お前の方こそ執務終わりに遅くまで付き合わせたんだ、寝不足のツケが来てなけりゃ良いが…。

お忙しい団長様を急に呼び付けるには幾ら俺でも気が引ける、だが明後日水曜日にどうだ、と穴に狢を誘っておく。入るか否かは気分で決めろ。お前の判断に従う。が、もしも良しとしてくれるなら今度は肴でも用意しておく。

偶には確り寝ろよ？

今夜は冷えるが、眠れているかい？リヴァイ。

お前が相変わらずの健康体で安心したよ。私の方も、この体は今は睡眠より任務を欲しているらしい。お前の懸念も勿体のない程に健康に過ごせている。心配を有難う。

さて、水曜日だが。片付けなければいけない書類が例の如く山積みでね。日付が変わる頃には終える予定ではいる。翌日は早朝から任務に就く為にあまり長居は出来ないが、是非。

おやすみ、リヴァイ。

返事が遅くなって済まない、短時間でも俺は構わない。お前さえ良ければ。

手短かだが今夜日付けが変わる位の頃に待合に部屋を設けて待つとする、決まったら追記に来るから、お前の気が変わらずにいたら…手が空いた時にでも覗いてくれ。

少し早いが待合の215で待っている。もしも来てくれるなら、ゆっくりで構わない。疲れているなら無理しなくて良いからな。

改めて昨夜も有難うな。言ったように…ここに鳩を預けておく。あとはお前の好きにすると良い。
…ただ俺は、組んだ予定を白紙に戻すのは好きじゃねえ、とだけ。またお前と話がしたい。