涙は

拭えない。
あんたは昨日、何の位の涙を流したんだろうね…。


昨日は気が緩んで其の儘だったらしい。目が覚めたらあんたの姿が無くてさ…。
ごめん。

意識を取り戻した私は、あんたの様子見の時間を…その、楽しみにしてるよ、アルミン。

こんにちは、アニ。改めて昨日は有り難う、独白の極みのような関係図に構わず僕に付き合ってくれて。

君に伝えた通り、処遇が決まらない…僕が安易に決めさせない内は折角の命を散らせたくは無い。
見舞いは秘密の様に、君が望むなら物語の続きを歩んでみたいな。――なんて、身勝手だけど…期待してる。

こんにちは、アルミン。


私も物好きでね、あんたの痛い位の言葉が罰として、此の命が尽きる迄は受けていたいと思うんだ。
未だ…私への疑問や痛罵は有るんなら、私はあんたの言葉を再度受けるつもりで居る。


最期は人間としての『会話』を望むよ。

…ははっ、確かに物好きなのは否定出来ないかもしれない。とは言え、罰を受ける心が有るなら…――いや、此処で話すのは筋違い、かな。君から声を掛けて貰った事が嬉しくて、浮き足立つのを抑えないとね。

任務の都合上、合間を見計らって君の元へ行けるのは最短に今夜深夜か明日の夜。尋問、とは言え…仲間の誼を否定は出来ない。話したく無かったり、身体の調子が悪い場合は日を改めるよ。問題が無ければ、また声を掛けに来る。
其れじゃ、色の良い返事を期待して。

同じ様に久方振りだからね、身体を動かすのも誰かと面と向かって話すのもさ。声が枯れそうだって云うのに無理して…ね。


そうだね、昨日と同じ様な時間帯に面会にでも来る予定かい？昨日と同じ時間帯からなら多少なり融通は利くけど、更に遅いならあんたも監視が厳しくなるだろうから明日の夜にでもしておこうかな。

彼の場所に独りで居ると、如何にも嫌な妄想が膨らむんだ。…あんたが来るの、心待ちにしてるから。

…済まなかった、性急に欲しかった言葉が幾つか有ったからついつい事を逸り過ぎたんだ。次に君に逢う僕はもう少し落ち着ける様に努めよう。

――そして、申し訳ないが多少時間が掛かる手間に襲われたけれど僕は今から動ける。君の部屋の扉を叩く勝手は僕の行動だから、今既に君が寝て居たり都合が合わない場合はノックの返事は後日。取り敢えず待合の四つ目に小一時間程待ってみるとするよ。都合が悪ければ、また明日に。兎に角、行動に移すは変わらずに。

うーん…いや、思った以上に辺りが騒がしいな。下手をすると長居すると他人の邪魔になる可能性が出て来た為に待つのはこの位にして退室、取り敢えずは明日以降の反応を――…ふふっ、何だか一人相撲で張り切ってしまったみたいだな、僕。

良い夢を、何て言えないけれど…どうか、其れでも、良い夢を。

御免…今確認したばかりでさ。

何だろうね、割と私もあんたが来るのを楽しみにしていたんだけど、タイミングの問題も有ったか…。
数十分でも待っていて呉れたあんたに、改めて次回逢った時に謝罪でもさせてよ？

───あんたの夢に私が、私の夢にあんたの姿を──目の開かない夢路に…。

…おはよう、アニ。何だか挨拶を交わせる事が、嬉しいや。

…ほんの一時でも長く待って居れば良かったな。とは言え、再会の目論見は抱えた儘。

時間を明白に出来なかったのも困惑を招いたかもしれない。今日は昨日話した通り休暇を賜るだけ13時の昼以降か21時の夜間、都合が良い何れかに。時間の融通も効くから、其処は君からの声を。

此の時間は既に挨拶が変わって、こんにちはだね。

あんたに迷惑掛かるから取り急ぎの連絡になるけど、午後なら14時位なら可能、夜間は提示された時間通りに待ち構えて居られる筈。

何方でも構わないし、何方でも逢える…とは云ったけど、まぁ…如何なるかは判らないから早めに逢えるなら逢うかい？

あんたの反応を得てないけど、一先ず一時間位は待機しているつもりだから、都合が合えば来なよ？

待合の下から空いてる場所に私は居るから、多少の期待を込めて何も無い彼の場で、待ってる。

先程は再度あんたの姿が見れて嬉しかったよ。
彼の場は窮屈で光の無い場だからね、其の中であんたの存在は助かった。

私へのプレゼント……否、貢げ物と云った方が正しいのかな…。
有り難く、今度はあんたに付けて貰うとして次回また逢えるのを心待ちにしてるよ。

今日は施設に帰ったら、ゆっくり休みな。
亦逢う日迄の充電は怠るんじゃないよ、アルミン。

僕に取っての充電と云うか休息は君と話す事に有りそうだ、なんて余計な事を云うにも。

まだまだ話こそは進まないが…何れは何処か一室を、人が人として暮らすに相応しい場所を。申し訳ないが、鍵は僕が所有する事になるかとは思うけれど、ね。
気分が少しでも変われば…と、女の子の欲しがる物なんか解らないから苦戦はした…かな。

次の機会は君の都合を参照に…只明日明後日は22時以降の深夜のみになってしまいそうだと伝えておくよ。

あんたの休息って其れなら割と短い時間だけと、余り休められないのが現状なんだね。私は今此の時間が休息に成ってさ、あんたと逢うのが…任務とは云わないけど、精神的に気が張る。

…あんたの小さい頭で良く…私の事を気遣えると感心するよ。人としての生を与えて呉れるなら、其れだけで他は不必要さ。喩え未だ解放されない錠が有ったとしても。
次、来て呉れる時に何んな顔して買って来たのか教えてよ？……興味有るんだ。


今日なら最中に一度傍観する時間が出来るかもしれないけど、今日なら20時半からなら可能かな。明後日は恐らく、監視人との長い尋問が有ると聞いたからね、逢えないかもしれない。
未だ何とも言えないけど、今日明日なら確実かな。

明日が少々予定が読めない為に、反応が遅れてしまったけれど先に場所を見繕って置くよ。今日を逃せば明日明後日と噛み合わずに労するのは、少し勿体無いから。

其れと…小さいとは云うけれど、君と較べれば僕の方が…。いや、事実は事実として受け止めよう。下手な事を云わない方が良いのは、骨身に染みて居るからね。
それじゃ、確認が直前に出来なかった分暫く昨夜借りた場所に先に向かわせて貰うかな。

今晩和、アルミン。
色々と忙しそうなあんただから此処を覗く時間は今は余り無いかもしれない。其れでも手漉きのほんの僅かな時間が有るなら、見てくれると……嬉しいかな。

昨日は待たせたりで進まなくて、ごめん。
普段長考癖の有る私が、あんたと居ると格好付けてね、…そんな姿を見たらあんたは笑うよきっと。

兎に角さ、あんたと過ごした時間は私には足りなくて、もっと、と強請りたくなってさ。是は恐らく、人間としてのエゴなんだろうね。

あんたに未だ私にくれる時間が有るなら、其れに私は賭けるよ。厭、賭けるじゃなくて、願うか…。
相手に成ってくれて、感謝するよ。有り難う、アルミン。

漸くと手空きの今日。来週は隙間無く私事が組み交うばかりに…嗚呼、懲戒紛いの日々を過ごした君が心配でならない。

と、次に逢う機会が有るのなら又違う日を綴る希望と――熟考は其れだけ君が懸命に頭を悩ませてくれて居る証拠なら、寧ろ嬉しい時間だよ。微笑ましくて、ついつい笑みが零れて仕舞うけれど。
無論、だからこそ尽きない提案は君に。…だって、こんなにも愉しくて仕方が無いから。

僕は今日の21時以降に行動可能と告げておく。今日に無理が至る場合は…また直ぐに此処に候補を用意するよ。……早く、逢いたいな。唯単純に。