札束と酒と火

このタイトルに目を留めてくれたということは先程まで私と語らってくれていたリヴァイだろうか。
長らく付き合ってもらったにも関わらず礼を言えず仕舞いだったのでこちらに残しておく。

お前は自分を拙いと言っていたが、拙さは私の方が群を抜いて上回っていた。
にも関わらず長時間、本当に有難う。

あの場故に少し急ぎ過ぎた感も否めないが、お前が少しでも楽しんでくれていたのなら嬉しい。
お前は何かと無理をして自己犠牲を厭わない節がある。……金輪際あのように馬鹿なことをしてはいけないよ。

良縁をと願ってくれたが、お前にも良縁があらんことを。
では失礼する。

受け取らない
火の始末は俺の役目

最後は挨拶も疎かに早々と退散する形になって悪かった。
長時間、共にあった時間確かに俺はテメェの兵士で、テメェは俺の団長だった。
有意義な時間を感謝している。やられっ放しだけは気に食わねーが、楽しかった。

ああ、執務室の戸締りを頼んだリヴァイで間違い無いな。
改めて昨日は有難う。
やられっぱなし、というのはお前の被害妄想だろう。私は何もやっていない。
……しかし、お前との応酬は楽しかった。
悔しいというのならいつでも訪ねて来なさい。
添えた連絡先は要らなければ破り捨てて火に焼べるなり何なりお前の好きにするといい。
…私の思い上がりでないことを祈ろう。