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1 エレン・イェーガー

貫けば、

其れも魅力。──…お前の言葉が未だ印象に残ってる、此れを鍵にしても良い位だ。…ジャン、お前の事だよ。

正直声を掛けるか迷った。そもそも気付いて貰えンのかも判らねえし、眠り際の彼れは社交辞令にも取れたからな。
…其れでも何もしねえ依りはマシだって、自己満足に託けて一縷の望みに賭けるわ。

今更ながら鍵を。

・毛布
・長ッ!

…簡潔過ぎやしねえかと些か心配だが聡いお前なら気付くだろうとも思う。
面倒事は抜きで単に又お前と話したい。──…お前みてえに好奇心を擽る奴は珍しいんだよ。気が向いたら返事をくれ。
オイオイ、もうちっとマシな鍵は無かったのかよ。センスねェな、死に急ぎ。若干格好付けてェ年頃のオレと似てる傾向が有るっつう印象が見受けられたっつうオレの眼がアレだったのかは知らねェけどよ…なんつってな、冗談だ冗談。

まあ何れにせよ、夢路に一歩出し掛けた様なザマで出任せ言ったって捉えられてンのも癪だし…丁度話し相手が欲しかった所だ。何が如何転じてお前の興を引くかは知らねェが、見えねえ尻尾を垂らして悄気てる姿を傍観する趣味はねェからな――おっと、そういやテメェは人間だったか。っつうのもほんの悪ノリだ、飽くまであの時口にしてたテメェの話は飲み下してるつもりだから心配すんな。


一応鍵。
・『一緒に入るんじゃねぇのか』
・外が明るい
お前の方こそ誤解を招きそうな鍵だろうが、馬。見ようによっちゃ一つのベッドで朝を迎えて──…駄目だ、手前で言ってて鳥肌が立って来た。
何にせよ反応有難うな。因みに男は幾つになっても格好付けたがるモンだって誰かが言ってたぜ。…要するにお前の見立ては間違ってねえ。

出任せだとは思ってねえよ、…唯、明確な同意が無ェ場合は社交辞令だって思っちまうのも仕方無いだろ。俺は空気の読める男なんだ。……多分。
悄気る処か牧羊犬宜しく追い回して遣るよ。…牧羊犬が追い回すのは馬じゃなくて羊だって?細かい事は気にすンな。
──…と、此処で余り長話は出来ねえんだったな。話相手が欲しいっつう其の言葉に期待して取り敢えず連絡先を置いておく。好きに使ってくれ。

ンじゃ、改めて返事有難うな。