IFの話。

例えば此処にキミがいて、オレは温かい紅茶を飲み干そうとしている。例えばオレがショッピングに出掛けていて、その隣をキミが歩いている。例えばキミが遊歩道を歩いていて、オレは歩幅の違うキミに振り向いて、手を差し伸べたとして。

———やあ、こんばんは。冒頭からよくわからない始まりだって?わかってるよ。これでもキミの興味を引く言葉を考えたんだけど、ちっとも浮かばなくてね。徒然と記したいことだけを述べていくつもりさ。先ずここで短文派のレディとはお別れを告げなくちゃいけないね。ごめんね、長々と語りたい癖があってキュートなレディの前じゃとてもスマートでは居られないみたいだ。

さて、本題に行こう。街の色合いも落ち着いて、カフェではホットメニューが増えてきた頃だけど、キミはセンチメンタルな気分に浸ることはない?オレはまさにそれ。寂しいとか、恋しいとか。そんな感情はないんだけど、どうも夜が長くてね。一人では持て余してたところなんだ。だからこそ、キミと他愛ない話をしてみたいと思ったんだ。

どんな場面でもいい、どんな場所でもいいんだ。つまらない応酬、くだらない悪態、空回りする駆け引き。何でもいい、オレと一緒に楽しんでみないかい?先ずはキミがオレの名前を呼んでくれればそれでいい。そこから先はIFの話も現実味を帯びてきて、段々オレとキミの物語が紡がれていくんだよ。ほら、読書の秋にはちょうどいいだろう?

キミの姿は問わない。媒体も好きなように選んで。オレはただキミと言葉を交わせるだけで、…なんて、実際はもっと欲張ってしまうと思うけれど、笑ってくれるレディだと嬉しいな。

それじゃあ、オレからはこれで。キミと結ばれる縁を、楽しみにしているよ。