比翼ノ花†連理ノ葉(数年前遙なり茶)

――此処を開いたということは…あなたは彼の場所に覚えのある方、だろうか…?

表題の通り…私は、数年前に閉鎖した彼の場所の皆を捜している。
……宛先を失くしてしまった管理人の弁慶殿、副管理人の翡翠殿…それから、蘭殿や……季史殿…。
今はもう、とても昔のことになってしまったのだが…何故だろうか……。
不意に、懐かしくなってしまったのだ。
…天真や頼久、衣を返せなかった幸鷹殿…私に笹舟を造ってくれたヒノエや、小さい白龍にも世話になった。
それから…泰明殿……九郎殿、永泉様に…朔殿、…神子。
…大分賑わっていた場所だから、名を挙げていてはきりがないな……、すまない。

皆と囲んだ闇鍋は、今でも良い思い出だ。

――あの日の皆が今、どうしているのか…今もまだ、この世界にいるのかどうかもわからない。だが、叶うのならもう一度…もう一度逢いたい…と、そう思ったのだ。
どれほど望みが薄くても…――今は無き彼の場所で、優しい時間をくれた皆のことを…忘れたことはない。願わくばもう一度、邂逅が叶えば良い…と……思う。

人々の願いが集まる、大切なこの場所。
……私もまた、此処にこうして願いを残すことをどうか…許してほしい。

では、最後になったが……
場所提供、…――感謝する。