さて、騎士殿。何から言おうか

遅すぎる確認メールをしてみたら、せっかく綴った愛の手紙が行き場を失って颯爽と跳ね返ってきたぞ(笑)


うーん、分かってはいるんだ。

俺もお前もおそらく気質が一緒なんじゃないかってね。

繋がってみると離れたくなり、姿が見えなくなると欲しくなる…そう思っているのは俺だけかな?
まぁ言ってしまうとだな、やっぱりお前のことが、どうしたって忘れられないってことさ。

何年経ってもお前の姿が色あせない。

つまりそれくらい、騎士殿は俺にとって鮮烈な存在なんだよ。

後にも先にも、お前より魅力的なヤツには会えないんだろうなって、いつも思ってる。それが最近、少し苦しくなってきた…いつまでもお前の後ろ姿に恋い焦がれている自分が、たまに空しくなっちまう。英雄が聞いて呆れる。


…あんまり長々と独り言を呟いていても仕様がないな。

とりあえず、連絡が欲しいんだ。

例えそれが真っ白な手紙でも構わない。

色褪せないお前の姿を、また追いかけるべきか、それとも永遠の思い出にするか、せめて俺に選択肢を与えておくれ。

なぁ…後生だよ、騎士殿。

…それじゃ、お前が生きてたらまた。
愛してるよ相棒。
 
随分と久しいな。
おい、見ているか放蕩息子。

相変わらずの根無し草ぶりだな。まあ、お前のそんな所は知悉しているつもりだ。

悪いが、その何とも薄ら寒そうな手紙とやらはお前からこちらの住所へ送ってくれないか。


言葉を返すようだが、俺はお前を辟易した事は数あれど、離れたいなどと思った事はない。

…他に言うべき事は出し惜しんでおく。
ではな英雄。