婚約予定だった、優しい貴方様

この名前でお開きになったということは、朝倉家の邦義様でございますでしょうか…?
私の体調不良でお別れを致しましたのに捜しているなんて驚いていらっしゃることでしょう、体の方はすっかり良くなりました。別れ際にはご心配をいただきまして、今でもそのお心遣いを有り難く思っております。

ずっとずっと文箱の整理が出来ず、治ってからも変わらずで…浅ましいとお思いになるかもしれませぬが、こうして捜させていただこうと思った次第でございまする。


・出会いは一昨年の二月、此方が体調不良のために昨年の七月に打ち切り
・創作同士で、設定は戦国時代が舞台
・貴方様は朝倉の方、此方は何処かの姫
・貴方様の城で見合い
・城下に行く約束

これだけできっとお分かりになって下さいますかと。
こうして捜したのも迷った末の決断、己から手離しておきながら何と都合のいい話だと思い何度も何度も踏み止まったのですが…貴方様の存在が、とても藤には大きなものでございました故に。

見ても、見ぬふりをして下さっても構いませぬ。私の想いを知っていただけただけで十分にございます。欲を言うならば、もう一度私を側に。

どうか叶いますように。