銀・ヴィヴィアン(偽名)宛て

 

何となく、本当に何となーく、昔の端末弄ってたらお前とのやり取りが出て来て無性に懐かしくなった。気分屋で天真爛漫でテンションの上下激しくて真性のサドでいじめっ子、そのくせ俺がどっか行こうとするとまるで仔犬みてェな目で「帰んな」って言う俺の、…恋人。恋人だよな?ふは、虐められてた記憶しかねーンだけど。でもそンなお前がすげェ好きだったよ、銀。
お前がいつか言った通り俺ってマジでマゾなのかもしンねーよなぁ、コレってかなり由々しき事態。

【鍵】
・確か2009年1月、某メルマガでの俺の募集にお前の応募。
・攻めリバ×攻めリバ。
・お前の職業は彫り師。で、名前は偽名。俺の事を「なお」って呼んでた。シャブ中で俺の前でも堂々と薬打つけど、呆れた顔をしたら直ぐに情緒不安定になった。
・俺はバンドマン。ベース担当。でもお前は大して興味を示さなかった。
・告白はボロい手術台の上、お前から。
・バンドの練習で朝帰りの俺の目の前、お前の店の前で女の客とキス。拗ねて不機嫌になる俺をお前が宥めてた。
・お前は右手を骨折。暫く俺ン家来ないかって言ったら店を理由に断られた。
・春先からお前の本体さんの多忙を理由に遅レス、多分返信止めたのは俺。暫くして送ってくれた住所変更のメールにも返事はしなかった。

残ってるデータから抜き出してみたけど、わりと記憶はあやふや。そりゃそーだろ、随分前だし…あ、俺らの容姿とかに関しては完璧。でも書き出しても分かンねーだろうから省くぜ、ダーリン?


あー、と、正直な所、何で今頃ンなって、ってのは自分でも思ってンだけどよ。お前がこの世界に居るかどうかも不明だし、もしかしたら今は隣に誰か居るかもしれない。そんなのは重々承知。…ただ何となく、だ。お前の事が忘れられない、なンて言ったらお前は笑ってくれンのかねぇ、銀。

反応の有無は任せる。また会えたらイイ、って思うのは俺の傲慢だろうけど、最後の我が儘が叶いますように。