陣くん、利島陣くん。

 
 
・左耳に赤瑪瑙のピアス
・お茶菓子目当ての茶道部
・去り際、手の甲にキス


資料を整理してたらね、懐かしい名前を見付けたんだ。もう何年も前に、ある学園で出会った男の子。随分と時間が経ってるし(当時の日付を確認してびっくり!)、付き合ってた訳でもないし、お話した期間も、一ヶ月と少し。きっと、わたしのことなんて、覚えてないんじゃないかなあ。だって、わたしも、わたしのこと、曖昧だもん!

でも、もしも。まだこの世界を、ふらふら歩いていて。何となく覚えがあったら。一勝負しようよ、チェス。陣くんの部屋で。結局遊びに行けなかったの、心残りなんだよ。

――…あ、そうだ!勢いとは云え、折角捜してるんだから、ついでに書き逃げ。

初恋、だったよ。実は。


初っ端から太陽みたいな、望月サンより。