籠ノ虜…西島一為様へ

月葬楼にて出逢ったあなた様へ。

許されねぇことだとは思う。
否、解ってる。
けど、こうする他にどう仕様もなかったんだ。

なぁ、一為さん。
ドジ踏んじまって、折角の席を壊しちまって申 し訳ございません。

・デアイは楼
・初めての指名、初めての邂逅
・互いに鎖に繋がれて

これで解るかな。

こうしたのは、ほかでもねぇよ。
一為さん。
また、あなた様に逢いたかったから。
出来るなら、あのまま抱かれたかった。
アイしあいたかった。

上へのうかがいはたてたんだぜ。
真っ先に。
すぐにでも駆けて戻りたかった。
けど、どうも返答がねぇってことは見放され たっつーことだろ。
オレみてぇな娼、さっさと放って、若くて可愛 いのを引き込むが上策なんだろう。

諦めるべきと解ってる。
住む世界がちげぇんだから。
でも、その声が、温もりが……たった一度なの に、オレを狂わせてる。

最後のサイゴの悪足掻き。

これくらい、赦してくれるよな…

無期限に待ってる。 一為さん、オレを見付けて くれよ……
芙蓉…、会いたかった
気付いたらここへ、連絡を。

俺も、会って話したい事がある。
今すぐにでも、お前を抱き締めたい。
3 西島一為
すまない、気持ちが高ぶるあまりに鍵を
忘れてしまった。


俺は、一年前からお前を愛している
お前に名前を呼ばれるだけで
人間になれる気がした。
お前は、最後に、惚れちまう。
そう言ってくれたな。

以上だ。

芙蓉、待ってる。