濃密な時間を過ごしたシキ

別れたのは2,3年前だろうか。
俺が女体化して、信じられないくらい濃厚に絡み合ったシキを捜してる。表はなくてほぼ裏、だったな。
でも、不思議と心も繋がってる感じがしたのが懐かしくて。

ないがしろにされてると感じて俺から別れを切り出したから、虫がいいのは許して欲しい。

鍵は女体化とか男物の下着とか、ピアス好き(しなかったけど)とかそんな感じ。


シキ、待ってる。
2 アキラ
悪い、上げさせてもらう。
まだ探してるよ。
もう、5年前になるのか…

懐かしいな。シキがまだこの世界にいるかわからない、けど。
……記憶の片隅が、遺された鍵に反応している。
お前の捜している人物は恐らくは俺だろう。
だが…今は記憶も遠いな。
微かな記憶だが、当時は楽しませて貰った。

無為と知りつつ、こんなにも長い間俺を捜して居たのか。
その健気さは賞賛に値する。

──アキラ。お前はもう自由だ。
どこへなり、自由に飛んで行くといい。

応えられはせんが、永きに渡り気持ちを傾けてくれた事へ、感謝を。