夏についてのあれやこれ。

1 白／澤(鬼／徹)
夏についてのあれやこれ。
──確かそんな表紙の日記を綴ってたっけ。
もう何年前になるだろう、多分十年近く経ってる？まあ神獣の僕にとっては一瞬の年月に過ぎないけどさ、色々なことが有ったから長いような短いような、そんな十年だったよ。そんなことはさておき、桃タローくんにいい加減片付けろって言われて埃の被った本棚を整理してたらさ、何と言うか懐かしいものが色々出てきたんだ。お前と交わした手紙だとか、思い出の品がね。よくもまあ僕も保管してたよな。正直なところ、こんな風に呼び掛けたって僕のことなんかとっくに忘れたって言われても仕方ないくらい、僕自身の記憶も薄れて曖昧だ。それにお前も随分と忙しくしてたから、この世界に居るかどうかも分からない。お前のことだからのたれ死んだりはしてないだろうけどさ、……元気にやってんのかなぁって。
今更改めて話すことも無いと思う。喧嘩別れじゃないけど、最後はフェードアウトのように終わった気がするし。でも万が一、億が一でもこの立札に心当たりを感じたなら、酒でも酌み交わしながら思い出話に花を咲かせるのも悪くないんじゃないかなって。うん、完全に僕の自己満だね！お前と馬鹿やりながらああだこうだ言い合うの、やっぱ楽しかったんだよ。

鍵は……多分お前もあまり覚えてないと思うけど、お前はブラックな職場で働いてた、お前は口癖のように「嫌い」だとか「別れる」って言ってた、それを僕は「好きだから別れないよ」って引き止めてた。それから、出会いはこの掲示板では無かった。それくらい？

夏が嫌いなお前へ。季節の変わり目で体調崩しやすいからあまり無理するなよ。
[伝言ではなく捜索目的であり、アドレスはダミーではない。連絡を取り終えた後は全ての記事を削除する(はい/いいえ)]
はい
2024/10/6(日)22:16
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