アニメ/マンガ 一日限定

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1 ガ/ロ/・/テ/ィ/モ/ス
眠りに就く前に
俺が火事で焼け出されたばかりの、ほんのガキの時の話だ。
身寄りを失くした俺の引き取り先が決まるまでの短い間、旦那──ク/レ/ イの元に預かって貰っていた時期の事。まだ生々しい火災の記憶がフラッシュバックして怖くて眠れないとベソをかく俺に、あの人は訥々と寝物語を聞かせてくれた。
…って言ってもあの人は母親でも何でもねえしさ、当時は学生だ。自分の研究の話とか、専門的な話も多くて寝物語っていうか催眠術みてえな…俺、難しい話されると眠くなっちまうし。
でもさ、誰かが傍に居て、自分のために言葉を紡いでくれてるって言うのは不思議と心安らいで、不安も薄れてゆっくりと眠気がやってくるもんなんだよ。いつの間にか眠っていて、気が付いたら朝、ってな。

今や俺は体も心もデカイ立派なレスキュー隊員だ。あの日の記憶が怖くて眠れない幼い無力なガキじゃない。この手は誰かを救うためにある、それが俺の誇りだ。
でも、…偶に、たまにだぜ。伸ばされた手を幾つも掴んで引き上げても、…俺が手を伸ばした時、誰が掴んでくれるのかって、ふとよぎる。その一瞬だけ、俺の意識はあの日の炎の中に還っていく。もう熱い、怖いって泣く程弱くはねえ。小さくもねえ。
それでも、そんな日の晩は、いつかみたいに、誰かの寝物語が聞きたくなるンだ。


(提供ガ/ロ、募集同作男性、帯使用、継続相性次第、消すまで募集)

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