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1 納/棺/師(第/五/人/格) In the locker. 最早、勝利はおろか引き分けすらも絶望的。追われ、囚われ、辛うじて棺で蘇生を果たしたものの戦況を覆す術は何処にも無い。……ああ、また一人。脱落する仲間の悲鳴は何度聞いても慣れないものです。否応無しに自分自身の終焉を意識させられる。だから、ええと、その所為……なのでしょうか。下腹部に血と熱が集ってしまって……死を目前に肉体が子孫を残そうとしているのかもしれません。兎に角このような状態ではとても解読に集中するどころじゃない。ひとまず手近なロッカーに身を隠し、熱を鎮めようとしたのです、が……衣服に手をかけた瞬間、貴方が扉を開きました。生者への恐怖は死の恐怖と混濁し、曖昧になり、熱だけが脳を侵す。咄嗟に伸ばした手でその身を引きずり込んでしまいたいのですが……構いませんか?