短期募集

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1 デ/ィ/ミ/ト/リ(F/E)
夜に咲く花
 温室の花は当然のようにうつくしいが、中庭の低木についた白い花も純朴で可憐だった。普段は花や木などろくに目も向けていなかったけれど、甘い香りに誘われてつい足が止まったんだ。初夏に咲くあのしろい花の名を、お前なら知っているだろうか……先/生。

 花の名前なんてただの口実にすぎない。そのように一々たわいもない事を引き合いにして俺はお前に会いにきているだけ。きっとお前は知る由も無く今夜も部屋の扉を叩く不出来な生徒の為に湯を沸かし香りの良い紅茶でも入れてくれるのだろうな。優しさに付け入るようで心苦しいけれど、だからといって夜な夜なお前に会いに行くのをやめられない。


 このように俺はお前に対して並々ならぬ感情を抱いているし、平和なばかりの夜の茶会においていつ一石を投じてしまうか分からないくらいには、この気持ちを持て余している。口火を切るのは今夜かもしれないし、その次の機会かもしれない、いずれにせよ……時間の問題である事は確かだ。それでも、今夜もまたお前の部屋に入れてもらえるだろうか。

 少なくてすまないが、双方の姿は俺か先/生で頼みたい。また、展開によっては触れ合いを伴うものになるかもしれないので……、……いや、お前が相手だ、終始健全なまま終えることも充分に有り得るが……まあ、そうだな。万が一そのような流れになったとして、組み敷かれる事に抵抗が無いと有り難いと……先に伝えておくよ。

 それでは、お前の目に留まる事を願って。

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