短期募集

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1 蛟(i/7)
水籠りの邂逅(固定募集)
 
境界を越える瞬間。
見えざる壁の虚ろな糸が袖を引き、ふつりと切れて己を取り戻す。その刹那の違和感が『降りて』きたのだと実感させてくれる。

裾をくすぐる緑草を踏み分ける——歩くという単純な行為にすら胸が躍ってしまう。約を交わしたわけではない君と逢える可能性など低いというのに、それでも君の生きる街に『降りる』ことを、こんなにも楽しみにしてしまっている。
淡く脆く、せせらぎにすら呑まれてしまいそうな想いだけれど。泡沫人である君に捧ぐには重いこころだと、理解している。

だからせめて、君が暮らす街の空気を楽しみたいと。そう、思っていたのに。
鋭く振り返る眼光に射抜かれた瞬間に、砕けた殻がくちびるの戒めを解いてしまった。

「君に逢いたいと思っていたんだ、——英」


【約束事】
一つ、この場を利用する者として規約を理解し、遵守している。

二つ、文に使用するのは<ぽい>を推奨。<帯>も対応出来るけれど、既読後すぐに返事は出来ない。それを許容してくれて姿絵を公式で揃えられるのなら<帯>でも構わないよ。

三つ、描写文体不問。私は拙い筆致の小説文体で物語を綴るけれど、君に揃えて欲しいと言うつもりはない。共に綴る物語の道程を楽しみ、君自身の言葉で続きを編むことに喜悦してくれるのならば、一般的な進行形でも何の問題もないからね。

四つ、百から五百字程度までの描写数で文を綴れる。長くなるほど状況や動作の整理、矛盾のない自然な流れを思索して筆が遅くなるから、なるべくこの描写数に収めてもらいたい。

五つ、期間は一区切りつくまで。最低一週間に一通、遅れる場合は事前連絡が出来る。手隙であれば数時間や数日で返書を認めることもあるから、常に一週間待たせはしないはずだ。それ以上掛かってしまう時は、連絡出来ない事情がない限り必ず遅延の連絡をすると約束しよう。君にもそうして欲しい。

六つ、打ち切る時は一言挨拶出来る。事故などの勘違い防止のため必ず件名に<終幕>と綴ること。<帯>ならばその一言を残して退室すること。私はそれに加えて謝辞を添えるけれど、君に強いたりしないよ。

七つ、私たちの世界を愛していて、公開された物語に目を通している。不明瞭な事柄に関してはお互いの解釈、好む設定を擦り合わせて補完していけると嬉しいな。


希うのは左側に立つことを好む英。君を待つのは私——蛟のみ。
恥を忍んで囁くが、私は君を受け入れる側でありたいんだ。素肌に触れる関係を結ぶ可能性は高くないけれど……万が一欲を絡めた指で君に触れる時、私は右側として君を受け入れたいと思っている、ということを忘れないでくれ。
私は君に想いを寄せているけれど、極端に忌み嫌っていなければ君の気持ちは自由だ。ただ……君が誰かと心を通わせていたり片恋慕していたりすると妬いてしまいそうだから、想い人の類はいないと嬉しい。強欲ですまない。

ああ……ここまで私ばかりが望みを伝えてしまっているね。叶える側であった身でありながら、随分と我儘だと思われてしまったかな。汗顔の至りだけれど、ここからは君の望みを聞かせてもらおうか。君は、何を望む?——伍番勝負のような苛烈な斬り合いも喜んで受けて立とう。見廻りの最中であるならお供させて欲しい。特に望みがなければ一献どうだい。願わくは君の笑顔を見たいものだけれど、そのために何を叶えればいいのかわからずにいる私に、君の選択を聞かせて欲しい。


初めての文は君らしい言葉で飾っていればそれで構わない、と言ってしまうと、流石に筆先が迷いの雫を落としてしまうかもしれないね。不可事項と文末の物語の続きは必須として、残りは君自身の言葉でお願いしよう。だって、私ばかりが胸襟を開いて語るのもさみしいだろう?君がどんな思考を持ちどんな言葉を綴るのか……教えて欲しいんだ。
〆と書き記すまでは君を待つよ。返書はひとりにのみ、五日以内に送る予定だ。——英。君の言葉が届く瞬間を、楽しみに待っている。


(鬱蒼とした森を吹き抜ける風が枝葉を揺らす。天空からの陽射しが地に落ち、ざあざあと揺れる木々に合わせて踊る木下闇を作っていた。腰元の刀に利き手を触れさせ機敏な身のこなしで振り返る男の銀髪が、長い外套の裾が、動作によって生まれた風ではためく——うつくしい銀灰の眼差しが、貫く。すっきりと切れ上がった眦。涼しげな、と言い表すにはいささか鋭い——鋭すぎる双眸に浮かぶ驚きの素直さが愛おしい。鷹揚な足捌きで一歩、……それ以上の距離を詰める勇気を持てず、相対する彼の警戒を無闇に煽らない離れた位置で足を止め、意図せず発した言葉はそのままにゆるく口角を持ち上げた笑みを浮かべ)ところで……こんな森の中でなにをしていたんだい?


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