ゲーム 一日限定
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1 かなえご狐
刀解される貴方(閲注/刀乱)

これより先、偽造設定及び独自解釈の語りが並ぶ事となります。また、貴方の未来は刀解という少々暗い設定でもありますので、そういったものに嫌悪感を抱かれる刀は明るい世界へとお戻り下さい。貴方の未来が明るく華やかなものであるよう、ささやかながら願っております。


残られた貴方は、少しばかり狐の一人語りにお付き合い下さいませ。
…私はかなえご狐、貴方の本丸の鍛冶場にて貴方がたの依代となる刀を打たせてもらっております。日々金槌を手に、丁寧に丁寧に鋼を打ち霊力を注ぎ、歴史の中で華々しく輝いていた名刀を打ち上げる。そうして審／神／者殿が最後の霊力を与え、美しい刀は人の姿となる。…最初の内は、とても楽しかったのです。
少なかった刀の数が徐々に増え、同じ刀が打ち上がるようになり始めた頃から…私の打った刀は、人の姿での顕現すら許されず、刀解や練結の命が下るようになりました。致し方ない事…そう自分に言い聞かせても、やり切れぬ思いが胸中を満たす。本来の刀工は別、しかし貴方がたは…私が精魂込めて打ち上げた、愛し子のようなもの。きっと貴方がたに私の記憶はないでしょう、しかし私は覚えておるのです。飛び散る火の粉、打つほどにその形を教えるよう響く鋼、最後の一打で眩く輝く美しい刀身、研げば喜ぶように輝きを増す切っ先、――舞い踊る花弁に祝福され、初めて持ち上がる目蓋の下から覗く瞳の美しさ。全て、全て覚えておるのです。私の、愛し子達。

今日も新たに打ち上げた刀は、既に幾振りも打ち上がり、その度に顕現を許される事なく消されてしまう刀でした。
無理を承知で、私は鍛冶場に訪れた審／神／者殿に頭を下げました。どうか一日でいい、この刀を顕現させて欲しい。一日だけ、私の愛し子と共に過ごさせて欲しい、と。

……そうして顕現したのが、貴方。
今日が終わり、貴方が眠りに就いたら顕現は解かれてしまいます。しかしそれを貴方に告げる事は致しません。私が貴方を打ったのだという事も、告げません。ただ、人の身を楽しく過ごして欲しい。…全て私の自己満足です。ほんの僅かでもいいから、楽しい思い出を得て欲しいという、歪んだ親心。


暫し語りが長くなりました。どうぞご容赦下さい。
人の世の常識を備え、帯か捨宿、Gにて私と穏やかな時を過ごして下さるなら、他に厳しくは言いませぬ。描写数も、あまりに極端な長短で無ければ特には。
しかし、顕現する刀には制限があります。期間限定の鍛刀、ドロップのみ、レアと呼ばれる鍛刀が困難な刀は除かせて下さいませ。此度の募りには合いませぬゆえ。
此方は私、第一の鍛冶場を任されたかなえご狐のみ。名は…貴方に直接お教え致します。姿は人に近く、頭には耳、尻には尾があります。身の丈は大柄な太刀と同じほど。鍛刀の際は狩衣を着ますが、顕現した貴方の前では白の甚平を着ております。

随分長々と語ってしまいましたね。とても特殊な設定です、声を掛けて下さる刀は居ない可能性が高い。それでも、甘い期待を抱いてお待ちしております。
…さあ、何を致しましょうか。お腹が空いているなら、私が握った握り飯を食べましょう。庭を散歩するのも良いかもしれませんね。…私と共に居る間だけは、楽しい思いをなさって下さい。私の、…愛し子。


「貴方の名、されたくない事、顕現した鍛冶場でこんにちはと声を掛けられた描写」

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2 かなえご狐

先日お相手下さった愛し子、並びに私の未熟さゆえにお相手出来なかった愛し子、どちらにも心よりの感謝を。等しく愛しい貴方がたの眠りが、幸せなものであった事を…願っております。

急に手が空きましたので、本日もお相手下さる刀を募らせて頂きます。先日お話出来なかった刀も歓迎致しますので、遠慮なくどうぞ。此方からは届きませぬゆえ、お声掛けの際は一つ上からお願い致します。
それから、私に関する情報が少な過ぎましたね。私は雄のかなえご狐、赤茶の毛並みに尾は三本、顔立ちは少々吊り目な事を除けば悪くはない、そうです。髪はさっぱり短く、…嗚呼、少し薬／研殿に似た髪型ですね。一振り目として働く貴方がたとは、鍛冶場で顕現した時にのみ、お目に掛かっております。それ以後は一切顔を合わせておりませぬし、言葉を交わした事もない。なので、此度が初めての会話となります。


…貴方に私の記憶が無くとも、私が誰か分からなくとも、貴方の中には僅かながら私の霊力が流れている。その細い細い繋がりが、私の心を強く揺さぶるのです。押し付けがましい愛情だとは重々承知、しかし…打ち上げた刀を溶かす度に、涙がこみ上げてしまうのです。だから……せめて、ひと時だけ。生を満喫して、欲しい。我儘な狐の願いを、聞き届けて下さりませぬか。

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