1 無名さん

あにや

(大方の準備を終えた出店の屋台に電灯の光が次々と灯され、(第三者視点)奥の方へと向かって左右に立ち並ぶそれらを一望出来る参道の前まで難なく辿り着くと今宵の祭りを共に回る事となった級友の姿を探る為、水平に構えた片手を瞼の上に添えては少々大袈裟な身振りで周囲を隈無く見渡して。(あにや視点)しかし、待ち合わせの時間よりも数分早い到着では相手が己よりも早く着いていない限りは見付けられないだろう。(???)早々に諦めて切り上げると他の人達の妨げにならない様に鳥居の側まで一旦移動し、待ち人が来るまでの間はその場で大人しく待機する事を選択。よろけ縞と縄の柄が入った紺地の浴衣に龍の刺繍入りである黒色の帯、自身の私物を纏めている市松模様の信玄袋(信玄袋視点)を持つ右手(右手視点)には事前に配布されたリストバンドが手首から提げられていた。(第三者視点、右手・手首重複、突然の過去形)そうして袖口に両手を突っ込んだ後(※片手に信玄袋を持ったまま)に下駄の音を鳴らして振り返ると賑やかな参道の方を今一度見遣り、先程来た道に背を向けたまま夏の風物詩を前に何処と無く期待に満ちた声で呟いて/↑)…やっぱ、祭りには屋台が付き物だよな。(ドヤ)