24 無名さん
(学校から帰ってきて夕飯を食べ勉強を済ませて時計を確認した頃には間もなく日付も変わろうかという時間になっていて、目を丸くしながらも慌てて大浴場へ。広い湯船で一日の疲れを解すように体を温めて、ホッと至福の一時を過ごしたところで浴室を出ていき、パジャマ代わりにしている藍色の甚平に身を包み、ドライヤーを使うには遅い時間だろうとバスタオルで大体の水分を拭った長い髪をそのままにして部屋に戻ろうと歩いていたところで、ふと視界に入った自販機。途端に喉の渇きを覚えはするが生憎財布を持ってきていなかったため、どうしようかと小声で独り言を呟きながら考え込み/↑)部屋に財布を取りに…面倒だな。しかし、部屋の飲み物は切らしているし…我慢…いや…。
(時計の針が二本共に真上を通過した夜更け、明日は休日という事で気を緩ませ遅くまで起きていた所為か目が冴えてしまい、寝間着である薄紫のパフスリーブ半袖ワンピースという装いで自室を抜け出し向かったのは自動販売機置場。多くの生徒が寝静まっている寮内は足音さえも大きく響き、窓の外に広がる暗闇に目を向けないよう進行方向のみを見据え歩いて行けば間もなく目的地に。足を進めながらも視線を手元に下げて小銭入れの小さな蝦蟇口から銀色の硬貨を取り出そうとしたものの、不意に視線を上げ見た自販機前には今まで気付かなかった髪の長い女性の姿があり、驚きと幽霊ではという恐怖から目を瞑ったためクラスメイトであると気付かず、更には小銭入れを落とし硬貨を床に散乱させてしまい/↑)きゃあっ…お、おばけさんですかぁ…?
(こちらに向かってくる足音は考え事をしていたためか聞こえておらず、小銭が散らばる音と悲鳴に似た声でようやく我に返るとそちらを振り返り。クラスメイトであることにはすぐ気付いたものの床に散らばった小銭と相手の怯える姿が目に入って、内心では自分も苦手な幽霊に間違われたことに若干ショックを受けつつも苦笑し。なるべく穏やかな声音で相手の誤解を解こうと声を掛けながら相手の方へ近寄って行き、足元に屈んで散らばる小銭を拾い)…ご期待に添えず申し訳ないが人間だよ。驚かせたようだね、群咲さん…拾うのを手伝わせてくれ。
(時計の針が二本共に真上を通過した夜更け、明日は休日という事で気を緩ませ遅くまで起きていた所為か目が冴えてしまい、寝間着である薄紫のパフスリーブ半袖ワンピースという装いで自室を抜け出し向かったのは自動販売機置場。多くの生徒が寝静まっている寮内は足音さえも大きく響き、窓の外に広がる暗闇に目を向けないよう進行方向のみを見据え歩いて行けば間もなく目的地に。足を進めながらも視線を手元に下げて小銭入れの小さな蝦蟇口から銀色の硬貨を取り出そうとしたものの、不意に視線を上げ見た自販機前には今まで気付かなかった髪の長い女性の姿があり、驚きと幽霊ではという恐怖から目を瞑ったためクラスメイトであると気付かず、更には小銭入れを落とし硬貨を床に散乱させてしまい/↑)きゃあっ…お、おばけさんですかぁ…?
(こちらに向かってくる足音は考え事をしていたためか聞こえておらず、小銭が散らばる音と悲鳴に似た声でようやく我に返るとそちらを振り返り。クラスメイトであることにはすぐ気付いたものの床に散らばった小銭と相手の怯える姿が目に入って、内心では自分も苦手な幽霊に間違われたことに若干ショックを受けつつも苦笑し。なるべく穏やかな声音で相手の誤解を解こうと声を掛けながら相手の方へ近寄って行き、足元に屈んで散らばる小銭を拾い)…ご期待に添えず申し訳ないが人間だよ。驚かせたようだね、群咲さん…拾うのを手伝わせてくれ。